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E-BOOKS

Pagesの電子書籍制作機能

AppleのPages(ページズ)でもEpub形式の電子書籍/電子教材が作れるとのことで、早速PagesのEpub制作機能を検証してみました。
インタラクティブな書籍を作る際は、iBooks Authorを使った方が良いようですが、Pageでも手軽に書籍を作れるので、知っておくと便利だと思います。
尚、検証したPagesのバージョンは7.2です。

目次
1.”iBooks Authorで作る縦リフローEpub”と”Pagesで作る縦リフローEpub”の違いまとめ
2.Pages for iOS
3.Pages for Mac
4.”Pages for iOS”と”Pages for Mac”の違い
4-1. Pagesの内容をiBA(Epub縦テンプレート)で挿入してみたら
4-2. Pagesの内容をiBA(iBaテンプレート_固定レイアウト)で挿入してみたら
4-3. Macで作ったPagesファイルをiOSで編集してみたら
5.まとめ
6.備考

検証結果:
1.”iBooks Authorで作る縦リフローEpub”と”Pagesで作る縦リフローEpub”の違いまとめ
-“iBooks Author”と”pages”のEpubは、どちらも動画・ギャラリー・方程式(Latex・MathML)・ハ イパーリンクは入れることができる
-どちらもEpubに書き出したものは文章の読み上げはできなくなる
-どちらもKeynoteはいれられない、縦読みは不可
-iBAの方は、ポップオーバーとhtmlを埋めることができる(Pagesでは不可能)
-Pagesはグラフ・図形をいれることができる(iBAでは不可 能)※グラフは全面拡大可能

2.Pages for iOS
-音声をPagesを使いながら録音できる
–Apple Pencilでも指でも、描画したものをアニメーションにでき る(Epubでも書き出せる)——方法は、指で描画したあと、「+」の横の刷毛マークをタップすると出てくる(スマート注 釈はアニメーションにはならない)。※背景は透明にはならないため、文字の前で描画すると、Epubに書き出したときに背景が少しズレる。
-Pencilや指を使って「スマート注釈」を入れられる(ただしEpub書き出しでは削除されてしまう)
-インタラクティブグラフ(Epub書き出しでは削除されてしまう)

3.Pages for Mac
-iOS同様、音声をPagesを使いながら録音できる(ただし音声 の入力デバイスがあることが前提)
–字にふりがなをつけてくれる機能あり
-縦リフローの場合、Pages内では文章の左揃えなど選択できる が、実際にiPadのiBooksアプリでみると全て中央揃え・インライン設定になる

4.”Pages for iOS”と”Pages for Mac”の違い
-ギャラリー機能があるため、複数の写真をギャラリーのように 見せられる(iBooks AuthorのEpubブックでもできる)
-固定レイアウト(横向き)で制作すると、見開きページを選ぶことができる(縦書きでも固定レイアウトにすることは可能)
-リフローのPagesの目次機能がうまく働いていないようで、Pages上では点線と数字表記になっているのが、iPadのiBooksアプリでみると点線などは消える(これについては、その情報がiPadのiBooksアプリのデフォルト目次に機能が移行するためだと思われ る。そのため、デフォルト目次にはきちんと数字まで記載されている。Epubのページ上にでてくるのはあくまで、目次機能を移 行した後の残留物を表示させているに過ぎない)
-オブジェクトはソフト改行で配置するとずれない(Epub縦だ とインライン設定になるため)Pages上ではルビが詰まってずれてみえるが書き出すと普通に 配置されている
-注釈については、Macだと「コメント」、iOSだと「スマート 注釈」が使える(どちらもEpubに書き出すときには削除される)。
-「変更をトラッキング」選択で変更内容をさかのぼれる
-固定レイアウトの場合は書き出すときに1ページで書き出す か、2ページで書き出すのか(見開き)を選べる
-マスターとしてテンプレートを制作できる

4-1.Pagesの内容をiBA(Epub縦テンプレート)で挿入してみたら
-ルビは消える
-背景に入れていた画像はギャラリーに置きかわる
-目次部分は1ページ単位で1セクションに変わり、その他は全 て1セクションにまとめられる
-Pagesでいれていたグラフ・図形は消える
-フォント情報は残る

4-2.Pagesの内容をiBA(iBaテンプレート_固定レイアウト)で挿入してみたら
-ルビは消える
-画像はそのままだが、ギャラリーにいれていた写真は1枚目のみ残る
-目次部分は1ページ単位で1セクションに変わり、その他は全て1セクションにまとめられる
-Pagesでいれていたグラフ・図形はそのまま残る
-フォント情報は残る

4-3.Macで作ったPagesファイルをiOSで編集してみたら
-ルビはそのまま
-スマート注釈が使えるようになるが、Epubに書き出すと削除される
-フォントはiOSに入っていないフォントはHelvetica Neueに置 き換わる

5.まとめ
-PagesでEpubを作るときiBooks Authorでできること はできず、反対にPagesでできることはiBooks Authorではできない。
-epubでよりインタラクティブな ものを作るのであれば、iBooks Authorの方が適している(HTML・ポップアップが入れ られるため)。インタラクティブ性の順は、Pages<iBa_Epub<iBa_Books である。
-インタラクティブ性は損なわれ るが、ある程度文章量がありル ビを入れるブックであればPagesで作った方がよい。

「挿入できる要素やデバイスでの機能の大まかな比較」

Pagesの電子書籍制作機能 挿入できる要素やデバイスでの機能の大まかな比較

6.備考
-Pagesでは描画をアニメーションにできる
-固定レイアウトは描画するとき、 特に制限がないがリフローは描画スペースの枠ができる
-PDF書き出しするとスマート注釈の内容も書き出されるが、Epubは書き出されない
-当然ながら、PagesはMac⇄iOSで相互編集ができる(例えば、 どちらかしか持っていないユー ザーとも共同制作できたり、 iPadだけで制作ができる)

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